2005年09月10日

中国食物論もしくは松屋論

ご存知の方も少なくないと思いますが、8月のはじめごろ、次のようなブログ(とは言ってもエントリ1つだけ)がWebの一部で話題になりました。
アジアの安全な食べ物:中国の7色に輝く河川と食品
中国の汚染された川の画像のようなものを並べ、更に汚染された中国の食物の事例を書き並べて、中国産の食物の危険性を喧伝しています。
ブログのコメントやトラバ欄には「中国産のものは二度と食べない」のようなコメント多数。ブログ本文の記述を額面通りに受け取った場合の素直な感想だと思います。「中国に行ったら未知のウィルスに感染して死ぬのは目に見えてますね」のような客観的正当性皆無の嫌中コメントも散見します。
一方、エントリ本文に情報ソースが書かれていないことを批判するコメントもいくつかあります。もっともな指摘だと思いますが、この種のコメントに対して「工作員はコメント書くな。中国を擁護するなら日本から出てけよ非国民が」のような典型的な2ch系ネット右翼のような反応を示す人もいます。
なお、ソースはコメンターによって幾つか提示されています。どうやら、一部の画像は中国のものではないが、正しい情報も含まれていたようです。詳しくはコメントログをご参照ください(長くて読むのが大変ですが)。
いずれにしても、中国の一部地域の環境汚染が深刻であることは確かだと思われます。日本の数十年前もこれに近い状況だったのでしょう。
上記ブログに対する痛烈な批判を書いたブログも現れました。ブログ「真性引き篭もり」の中の
「アジアの安全な食べ物」という犯罪者と、それに踊らされる馬鹿。
というエントリです。特に次の部分は、最後の一文の感情的表現を除けば、かなり説得力ある批判になっていると思いました。
当然の話であるが、重工業地帯と農業地帯はイコールではない。我が国にも放射性残土や重金属で汚染され、回復の見込みが無い土地は多くある。それらのみを取り出して「国産品は汚染されている。危険だ。」とするのと同じ事をしている。



また、輸入品には国によるチェックが入る。国よりも犯罪者を信じるとは、一体何事なのだと言わざるをえない。恐怖を煽るという典型的な思想操作に引っ掛かる人間はマイナスイオン級の馬鹿だ。

ただ、この批判エントリを書いたhankakueisuuさんという方は、各所に対して挑発的なことを常習的に書いています(実際、他のエントリの中には行き過ぎた批判ではないかと思えるものもあります)。更にいうと、政治思想的に2chの多数派とは異なる考え方をお持ちのようです。よって、多数の批判返しコメントがやトラバが寄せられています。その中で、次のトラバ記事が印象に残りました。
「アジアの安全な食べ物」という犯罪者と、それに踊らされる馬鹿。(「わたしのものさし(はてな版)」)
どのソースを信じ、どのソースを切り捨て、何を善とし、何を悪とするか。すべては相対的なものであり、絶対的なモノは存在しないと思います。決めるのはあなた自身。私はささやかに自らの意見を提起するだけで押しつけるつもりはありません。こういった他人を非難するやり方がゆくゆくは戦争なんかにつながって行くのではないだろうか?



なーんて、大げさに書いてみましたが。要は私はあの記事を見て、中国食品は食べたくないなぁと思った。あなたはこれを見ても中国食品を食べ続ける。それでいいんじゃないっすか?

結局、「感じ方は人それぞれ」で片付けられています。Web上の争いごとを収束させるには、相対主義的な結論が賢いのかも知れません。
さて、私の考え方はどうか。上で書いた通り、中国の環境汚染が深刻であることは確信していますが、それでも、松屋の牛肉をはじめとする中国産食物については、全く気にすることなく食べ続けます。
ところで、私は今日はじめて知ったのですが、2chのB級グルメ板の松屋スレッドの1にはアジアの安全な食べ物へにリンクが真っ先に張られています。2chらしいというか何というか…… 一方、松屋のサイトのQ&Aの記述は見事です。感服しました。引用します。
Q1. 松屋の牛めしは安全な牛肉を使用しているのですか?

A1. 松屋では中国産の安全でおいしい牛肉を使用しています。ご安心してお召し上がりください。

2chの一部の連中はこれを見て嗤っていますが、中国産の食物にも安全なものがあることも確かでしょう。とりあえず私は松屋牛肉を週に2回くらい食べていますが、今のところ身体の変調はありません。
ただ、松屋の牛めしは私には少し量が多すぎるので、ダイエット的には好ましくないのですが…
posted by D Slender at 23:10 | ☔ | 社会