1994,01,02, Sunday
1994年戌年、謹賀新年でございます。
私にとって、社会人になってからは初正月。大晦日と三が日は一応休みですが、明後日からは仕事だと思うと、正月気分も半減。
細川連立政権はどうも短命な予感。近いうちに自民党の政権への執着心に潰されそうな気がします。
ここからが今日の本題。香西かおりの『無言坂』が大晦日のレコード大賞を受賞した件について(私は観てませんが)。
日本レコード大賞を主催する日本作曲家協会が、大賞受賞曲が満たすべき条件を次のように標榜しているのは周知の通りです(太字は引用者による)。
作曲、編曲、作詩を通じて芸術性、独創性、企画性が顕著な作品とする。優れた歌唱によって活かされた作品で大衆の強い支持を得た上、その年度を強く反映・代表したと認められた作品に贈る。
これから分かるとおり、レコード大賞は「歌手」にではなく、「楽曲」に贈られるべきものです。
さて、『無言坂』が「年度を強く反映・代表」したと言えるほどに「大衆の強い支持を得た」かどうか、大いに疑問です。何故なら、シングル売り上げはたった37万4千枚。年間ランキングではおそらく70位程度。1990年から始まった“2部門制”が撤廃されたのは良いことですが、肝心の受賞曲がこれでは、レコ大の権威失墜も時間の問題かと。
1993年のシングルCD売り上げはCHAGE & ASKAの「YAH YAH YAH」が断トツでした。本来のレコ大の趣旨からすれば「YAH YAH YAH」に授与するのが妥当。たとえ授賞式出席を拒んだとしても強引に授与すれば良いのです。
今から思えば、1970〜80年代はじめ頃のレコ大は良かったです。“その年を代表する流行歌”がちゃんと大賞に選ばれていました。
それにしても、レコ大とは別に、ここ2,3年ほどのCDシングルの売れ方は異様です。
まず、ミリオンセラーがやたら多い。1980年代までは、1年に2、3作品が標準でしたが、昨年のミリオンシングル曲は17作。異様です。しかも、ドラマの主題歌に選ばれた日には、馬鹿売れする傾向があります。曲のクオリティにそぐわないほどの売れ方。ドラマを殆ど観ない(というより、テレビそのものを滅多に観ない)私には信じられません。どうも、世間の若者の価値観が妙に画一化しているように感じられ、少々不気味なのです。
しかも、曲のタイトルが長すぎるのが多すぎ。「愛のままに わがままに 僕は君だけを傷つけない」「愛を語るより口づけをかわそう」「別れましょう私から 消えましょうあなたから」「このまま君だけを奪い去りたい」……
しかも、ZYYGとREVとWANDSの区別がつけ難い……って、これは単に私が無関心なだけですな。
ちなみに、昨年の私にとっての心のベストテン第1位はclass『夏の日の1993』でした。ミリオンセラーなのに年間ランキング15位ですよ。本当にミリオン多すぎ。
では、記事を締めます。